大正時代、日本では様々な種類の乗り物を見ることができました。
馬車や人力車、そして自動車など。
しかし、様々な乗り物が普及していったとはいえ、それらすべてがどんな人でも乗ることができたわけではありません。
大正時代に使われていた乗り物の中には、一般の人にとっては高嶺の花であった乗り物もあり、乗ることができる人はある程度決まっていたのです。
では、大正時代によく使われていた乗り物とは何だったのでしょうか。
そして、どんな乗り物がこの大正時代に誕生し、広まっていったのでしょうか。
大正時代の乗り物
大正時代では、都市では様々な乗り物を見ることが多くなっていきます。
大正時代以前から利用されていた人力車に馬車、そして自動車も少しずつ増えていったのです。
中でも、明治時代から大正時代を中心によく利用されていたのは人力車であり、よく姿を見ることができましたが、大正時代から少しずつ数を減らしていきます。
そして人力車の姿を見ることが少なくなってきた大正時代の末頃になると、自転車式の輪タクが現れてくるのです。
そして現代でもお馴染みの自動車の数も少しずつ増えていき、都市ではバス事業も始まっていくのです。
乗り物で身分がわかる?
大正時代に親しまれ、利用されていた乗り物たち。
しかし、どんな乗り物を使うかによってその人の身分などが分かることもありました。
大正時代には、徒歩以外で一般人でも人力車などを利用して日々を過ごしていた人もいました。
しかし、大正時代に使われていた馬車や人力車、自動車などの多くの乗り物のうち、どれを日常的に使っていたかによってその乗り物を使う人の身分などを推し量ることができました。
例えば、大正時代、馬車も乗り物の一つとしてよく姿を見かけることがありましたが、当時この馬車を送迎用に使っていたホテルもあります。
そして、ホテルが送迎のために馬車を用意した相手はそれなりの身分を持つ格上の人に対してでした。
また、人力車は馬車に比べるとより一般の人に親しまれるものでしたが、それでも全員がいつでも気軽に利用できるものではなかったのです。
大正時代、乗り物は数多くありましたが、それを日常的に使いこなすのは限られた人たちでした。
そして、使う乗り物によってはどんな身分の人たちが使っているのかを推し量ることができるのです。
移り変わりを表す法
大正時代には馬車や人力車、そして自動車が日本に現れました。
しかし、一方で大正時代をさかいに人力車は徐々に姿を消し、かわりにバス事業や自動車が広く使われるようになっていくのです。
そんな時代の中、ひとつの法律が交付されます。
それが大正8年に交付された道路法です。
この道路法の内容は、大正時代に主流であった馬車などに気を使った内容になっています。
しかし一方で、このころ現れ始めた自動車のことも気にした内容にもなっていました。
大正時代は、様々な乗り物が日本に現れ始めた時代でした。
しかしその一方で、この頃をさかいに姿を消していく乗り物、またはこの時代をさかいに全国へ広く増えていく乗り物を同時に見ることができたのです。