大正時代には、一言で変化したものといっても、絞り込めないくらいにいろいろなものが変化していきました。
洋食が親しまれ、着物はより鮮やかに、そして好景気のなか成金や職業婦人が増えていった時代。
それが大正時代です。
多くのものが変化していった大正時代のなかで、その後に影響した変化をいくつかあげてみましょう。
映画好きが増えた時代
大正時代には、活動写真と呼ばれていた映画も大正時代に変化したものの一つ。
かつては音や声がない無声映画を弁士と呼ばれる人の解説付きで上映していました。
現代とは大きく違う当時の映画ですが、大正時代には観客の数を大きく増やしていきました。
大衆娯楽としてより多くの人々に受け入れられるようになっていったのです。
そしてその流れの中で、日活、松竹などの映画会社が国産映画の制作に取り組み始めます。
多くの人に受け入れられ、娯楽として親しまれるようになった映画が今でも娯楽の一つとして受け入れられるために、大正時代は外せない時代なのです。
また、トーキーと呼ばれる有声映画の制作、上映が始まったのは、そんな大正時代を経た昭和時代、1930年代のことでした。
時代を動かす水力発電
大正時代の娯楽の一つ、映画では国産映画が作られ、より多くの人に娯楽として受け入れられるなど、大きな変化がありました。
しかし、娯楽の他にも大正時代に起きた変化で、その後に大きな影響を出したものはたくさんあります。
例えば、時代を大きく前進させたものの一つに、明治時代から大正時代にかけて発展した水力発電があります。
明治時代末には火力発電を上回るほどの発展をみせた水力発電は、より広く行われるようになっていました。
それだけではなく、明治時代末から大正時代にかけて、より長い距離でも電気が送れるようになったのです。
そのために大きな水力発電所が作られ、ダムも利用されるようになりました。
明治時代から大正時代にかけて、大きく発展した水力発電は、一般家庭にも電気を届け、活用されていくのです。
変わる家庭の姿
それまで、一般家庭ではランプが使われていました。
しかし、大正時代にかけて、家庭の中にランプがある光景が変わっていきます。
それというのも、大正時代にはランプではなく農村部、都市部の一般家庭に電灯が普及していったためです。
大正時代の一般家庭で変化した光景はそれだけではありません。
電灯の他にもう一つ、その後の家庭の姿を変えたものがあります。
それが、大正時代に登場したちゃぶ台です。
このちゃぶ台で一つの同じ机を囲む、一家団欒の姿が見られるようになった大正時代。
妻と夫が一つのちゃぶ台で食事をとり、その光景を電灯が照らすという光景は、大正時代に初めて登場したものなのです。
歴史を振り返ると、大正時代だけではなく、それぞれの時代にその後を変えていく変化があることがわかります。
今では当たり前と思うような光景や出来事も、当時は当たり前のものではなかったことも。
現代では当たり前のものも、その歴史を見てみれば、最初は全く違う姿だったのかもしれません。