建物に欠かせない窓ガラス。
それ一つで、その建物を様々な雰囲気に変えることができる力があるものです。
大正時代の多くの建築物でも、窓ガラスは欠かせないものでした。
しかし、当時窓ガラスを作る技術は十分とはいえませんでした。
けれど、そんな大正時代の窓ガラスが現在では味があると言って喜ばれるものとなっています。
では、大正時代の窓ガラス、そしてガラスとはどんなものだったのでしょうか。
ガラス業界の発展
大正時代、ガラスは高級品であり、庶民には手の出しにくい値段がつけられていました。
一般の人々が気軽にガラスを手に入れられるようになるのは昭和の初め頃まで待たなければならなかったのです。
そんなガラスを建築物に使う窓ガラスは、作るのに技術がいります。
しかし、大正時代のガラス作りの技術はそれほど高くはありませんでした。
それでも徐々にガラス作りの技術は発展していきます。
板ガラスの商品化が国内でも可能になり、少しずつ品質も向上していくのです。
更に、大正時代の後半になると、質のいい原材料が手に入ったりなどしたため、無色透明なガラスを作れるようにもなっていきました。
そういった明治時代から大正時代にかけての発展を経て、昭和時代の初め頃にやっと一般庶民のあいだにもガラス商品が出回るようになっていったのです。
歪みも味のうち?
まだガラスを作る技術が十分ではなかった大正時代、窓ガラスは作るのがとても難しいものでした。
よって、大正時代に建築物に使われた窓ガラスを見てみると、歪みや泡などの不純物が混じっているガラスを見ることができます。
これらの歪みがガラスに現れるのは、手吹円筒法という方法で作っているため。
しかし、その歪みのあるガラスが実は現在では大正ロマンを感じさせるということで人気が出ているのです。
明治時代から大正時代に作られた、歪みなどがでているガラスは大正ガラスと呼ばれ、味があるとして人気が出ているのです。
愛される大正レトロ
明治時代から大正時代にかけて作られたガラス。
技術は未熟だったものの、その歪みが大正レトロとして人気を集めるようになりました。
大正時代にはそれらの窓ガラスをたくさん使った建築物が建てられましたが、なかでが西洋化の進んでいた時代なので洋館が数多く建てられました。
そして、そんな洋館に欠かせないものが窓ガラスなのです。
大正時代に建築物に使われた窓ガラスは格子窓も多く、そのデザインもさまざま。
大正時代には窓ガラスの制作技術の向上と、格子窓などのオリジナルデザインが目立つようになったのです。
そして、そんな窓ガラスを使って建てられた洋館はその窓ガラスの力もあり、大正レトロな雰囲気で現在まで愛されているのです。