輸入と改良相次ぐ大正時代の果物

現代では、スーパーマーケットに行くと季節問わず様々な果物が並んでいます。

日本だけではなく、海外から輸入された果物がいつでも並んでいるのが普通の状態だといえます。

しかし、少し前までは今ほど多くの種類もなかったうえ、果物の種類によってはそれほど手に取りやすい値段ではありませんでした。

では、大正時代に日本にあった果物には、どんなものがあり、どんな食べ方をされていたのでしょうか。

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輸入したはいいものの・・・

日本にはずっと昔から食べられ続けてきた果物もたくさんありますが、大正時代には海外からそれまで見たこともない果物が輸入されてきました。

それまで日本人に馴染みのなかった果物で、大正時代に海外から輸入された果物にはアセロラ、アボカドなど、現代ではよく知られている果物の名を挙げることができます。

アセロラは美容にいいとしてジュースなどで女性に人気があり、アボカドはその栄養価の豊富さなどでよく食べられています。

現在ではだれもが知っているこれらの果物が入ってきたのが大正時代なのです。

しかし、輸入したのはいいものの、当時はそれほど人気が出ることはありませんでした。

日本では大正時代に輸入され、日本上陸を果たしておきながらもそれらの果物が今のように名が知られるようになったのはつい最近のことなのです。

特にアセロラは生ではなく、加工原料として1960年代に利用されることが多くなっていき、徐々にその名を知られるようになっていったのです。

改良、改良、また改良

それまでにも日本にありながら、大正時代から徐々に全国に広まり、人気が出てきた果物もあります。

例えば、イチゴもそんな果物の一つ。

イチゴはそれまでにも日本にありましたが、明治時代に改良、そして栽培が本格的にスタートし、現代のようにポピュラーで様々な人に愛される果物となりました。

改良と栽培の結果、フランスから輸入された品種をもとに日本初の国産イチゴ、福羽イチゴが誕生しました。

イチゴは大正時代に大きな変化の時代を迎えていたのです。

また、当時は皇室用のイチゴもあり、御苑イチゴと呼ばれていました。

この御苑イチゴは一例として、大正時代の日本では庶民にとってなかなか身近な存在ではなかったり、高くて手が届かなかったりする果物も多くあったのです。

憧れのフルーツメニュー

大正時代には果物を使ったメニューも多く誕生しました。

当時の『主婦之友』にはイチゴを使って作るメニューとしてサンドイッチ、サラダにお菓子、そしてジャムなど様々な調理法が載っています。

雑誌には他にもブドウやリンゴなどを使って作るシャーベットのレシピも載っていました。

また、家で作るだけではなく、外でも果物を使ったメニューが人気を博していきました。

銀座千疋屋の「フルーツパーラー」で出されたフルーツポンチも1923年に登場して大人気となったものの一つです。

大正時代には海外から新しい果物が入ってくると同時に、以前からあった果物にも注目が集まり、それらの調理法も新しく生み出された時代なのです。

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