明治時代から大正時代にかけて、日本は海外の国々と貿易を行うことによって豊かになり、それまでにないほどの好景気を経験しました。
大正時代に日本が経験した好景気大戦景気と呼ばれる、戦争による影響を受けた好景気だったのですが、その波に乗り、貿易で大きく儲けることができたのです。
大正時代に起こった戦争による大戦景気により、それからの日本は大きな変化を経験する時代に入っていきます。
では、そんな大正時代に日本が大きく儲けることができた貿易は一体どんなものだったのでしょうか。
そして、大正時代の日本は具体的にはどれほど好況だったのでしょうか。
日本は何位の海運国?
日本が大正時代のころ、世界に海運ブームが訪れていたこと、そして戦争が起こっていたことによって、船舶が足りなくなっていました。
それも、世界中がそんな船舶不足。
つまり、大正時代は船を作れば作るほど売れた時代だったのです。
世界を相手に貿易を行うなかで、特に海運業、造船業はそんな船舶不足のため、空前の好況でした。
具体的にはどのくらい好況だったかというと、この大正時代で貿易によって日本は第三位の海運国となることができたほど。
戦前は第六位だったことを考えると、どれほど当時貿易で大きく儲けていたのかがわかります。
また、造船業や海運業が好況だった関係で、船作りに欠かせない鉄鋼業も発展していきました。
大きく変わる世界の貿易
大正時代、貿易によって日本は大きく儲けることができました。
それは戦が起こり、船舶不足だったためもありますが、理由はそれだけではありません。
実は、貿易で多くの商品が取引される市場でも大きな変化が起こっていました。
交戦中のヨーロッパ諸国がアジア市場から手をひくという大きな動きがあったのです。
これにより、世界の国々の貿易も変化していきます。
日本では、綿織物などの輸出を行いました。
また、戦争景気にわくアメリカ市場に向けて、生糸などの輸出量も大きく増えました。
結果、1914年に11億の債務国だった日本は、1920年には27億以上の債権国へと成長していったのです。
世界中の国々の貿易が変化していった大正時代ですが、日本はこの好況を利用し、国を大きく発展させることに成功したのです。
船舶不足の波に乗れ!
海運業や造船業がそれまでにないほどの好況に見舞われ、貿易で大きく儲けることができた大正時代。
造船業が一気に発展したため、とある人物が日本に多く現れました。
それが、船成金と呼ばれる人たちです。
造船業により、短期間で大きく儲けることができた人物を指す船成金。
世界中で起こっていた船舶不足は日本の造船業などに大きく影響を与え、発展させただけではなく、日本国内に船に関することでお金持ちになることに成功し、日本国内の文化などに影響を与える船成金をも生み出していたのです。
世界の貿易の市場で起きた大きな変化。
それは、大正時代の日本国内にまで影響を与えていたのです。