日本の歴史の中で、20年にも満たない時代だった大正時代。
しかし、それほど短い時代であった大正時代には、日本が大きく変わる出来事がたくさんありました。
その出来事の中でも、それまでの時代の流れを大きく変えた出来事が二つあります。
それは、どんな出来事で、それまでの日本の流れをどう変えていったのでしょうか。
押さえておきたいポイントは?
大正時代は非常に短い時代でしたが、それまでの日本の流れを大きく変えた時代でもありました。
日本に住む人々の生活はもちろん、世界から見た日本というものも大きく変えていったのです。
大正時代のなかで、特に大きな影響を与え、広い範囲にその影響を与えた出来事としては第一次世界大戦と関東大震災が挙げられます。
経済を動かした第一次世界大戦
大正時代に起きた、第一次世界大戦。
この大戦では、日本はヨーロッパの戦火の外側にいました。
しかし、第一次世界大戦は大正時代の日本に大きな影響を及ぼしたのです。
第一次世界大戦で特に注目するべきことは、その大戦が日本の経済に大きな影響を与えたということ。
第一次世界大戦の影響を受けて、日本には大戦景気と呼ばれる好景気がやってきたのです。
第一次世界大戦で日本にもたらされた大戦景気は、明治時代末からの不況の流れを大きく変化させました。
戦争のため、手が回らず、ヨーロッパの存在が薄くなったアジア市場、そして戦争景気のアメリカ市場を舞台に、日本は活躍し、輸出超過の状態になるのです。
そのため、それまでにない好景気の流れがやってきました。
また、輸入が途絶えたことにより、それまで輸入に頼っていた分野でも日本国内で足りないものを作り出す流れができていきました。
第一次世界大戦は日本国内の経済を大きく動かしただけではなく、世界の経済の中で日本の立場をも変えていったのです。
人を動かした大震災
一方、大正時代に起きた、日本を変えたもうひとつの大きなきっかけは関東大震災でした。
1923年の9月1日に起き、大きな被害をもたらした関東大震災。
そして、その大震災はその後の日本にも大きな影響をもたらしたのです。
まず、関東大震災はその後の都市の人口にも大きな影響を与えました。
東京、横浜市から郊外に移り住む人が多くなったのです。
また、移り住む先は郊外だけではなく、大阪も多くの人の移住先になりました。
移住してきた人が多くなったため人口の増えた大阪は、当時の世界の国の中でも上位の都市人口を誇ることになったのです。
関東大震災で起こったこの一連の流れ。
東京から郊外に移り住む人が多くなり、東京の人口がそれまでよりも大きく減ったことをドーナツ化現象といいます。
大正時代に起きた第一次世界大戦と関東大震災。
短い大正時代のなかでも、この2つの出来事をおさえておくことは大正時代の流れを理解することにもつながっていくのです。